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スーパーマーケットは比較的若いうちからチーフになる職業だと思います。
チーフになると大変なのが
・親くらいの年上のパートさん達相手に仕事の指示をしなければいけない。
(仕事もパートさんの方が歴が長い場合がある。)
・社員でなくパートさんなので意識に差がある。
ことだと思います。
これを人間的にも技術的にも未熟な新人チーフが先頭に立つというのが非常にやりくいのです。
私もいつかはチーフになるのだと思っていましたが、なんと2年目の時に新店舗の立ち上げチーフからのスタートとなったのです。
新店舗は絶対に成功させなければならないという重圧もありましたが、それ以前に私はチーフとしてどう動けばいいのかがわかりませんでした。
チーフ→自部門のマネジメントをする仕事。今でこそわかりますが、マネジメントで検索をしても会社の「経営」目線で書かれているので初めてのチーフではなかなか当てはめにくさはあります。▼
マネジメントとは? 定義や役割・今後必要なスキルを解説|組織改善ならモチベーションクラウド | 株式会社リンクアンドモチベーション (motivation-cloud.com)
この記事はスーパーマーケットで10年ほど働いている筆者の新人チーフ時代の失敗を例にしながらそこからどのような学びを経たのか?チーフのあるべき姿について書きたいと思います。
時間が無い方は目次から見たいところへ飛んでください▼
まずは、私の新人チーフ時代の事について少しだけ紹介します。
新店と既存店の違いは今までいたお店のパートさんとは違い、お店のルールどころか仕事もわからない人達との研修からはじまります。
その部分も更に新人チーフ時代の私を悩ませるものとなりました。
だからどんなに自分自身も不安でも「私も不安です。」ということは絶対に言わないようにしようと思っていました。
背筋を伸ばしてとにかく先回りしてして動くこと、わからないことはすぐに調べて答えるようにしていました。
オープン前の研修は計画的に行い、研修先も以前の店で行ったので比較的スムーズに進みました。
しかし、店がオープンしてみると初月は予算の1.6倍の売上!もともと高かった予算を大きく超える結果となってしまい、人数も全く足りていない状況でパートさんも毎日何時間も残業してもらってなんとか部門を回していました。
その時製造していたパンは今までいた店の1.5倍~2倍。
2年目でやっとパンの成形ができるようになった私にその量のパンを作る技術も、作りながらパートさん達に指示をしていく視野もあるわけがありませんでした。
正直今でこそ2年目にこの売上の店のチーフが難しいことがわかりますし、大変な境遇だったといえるのですが、その時の一部のパートさん達は「チーフのくせに・社員のくせに仕事ができない」ということが徐々に大きな不満となっていきました。
それは私自身も痛いほど感じていました。
チーフの仕事や役割とは何か?
チーフになる前はチーフは私にもできると思っていましたが、自分がその立場になってみないと見えないものがあるんだなと感じました。
チーフには管理すべきところが大きく分けて3つあります。
・人の管理…人を動かす、教育する、オペレーション
・売場管理…商品化、売場状態
・数値管理…売上やロス、利益、在庫の管理
この3つを管理して最終的に利益をあげるのがチーフの仕事です。
そしてその為に部門のメンバーを効率よく回していかなくてはなりません。
これまで役職の無いパンを作るだけでよかった私は見てる世界が圧倒的に違うことに気が付きました。
自分の上司が異動してからはなんとなく製造計画や発注業務をこなしていましたが、それはあくまでもこなしてるだけの作業に過ぎず、「チーフごっこ」であり、今までメインでやっていたパンの製造の部分も社員の仕事ではなく作業だったのです。
そんな簡単なことにチーフになってから気が付きました。
製造部門は製造が主で1日の殆どを製造に使うので、私はこれが自分の仕事であると勘違いしていたのです。
よく、裏でチーフがパソコンをいじっていると仕事をしないと思うかもしれませんが、実際は利益を生み出すための計画なのでこちらのほうがチーフの本業だと言えます。
確かによく考えればパンの製造はパートさんでも十分にできることでした。
「医師免許が無くてもできる仕事は致しません。」と大門未知子のセリフ(ドラマドクターX)がありますが、これは単なるワガママな発言ではなく、医師免許がないとできない仕事をすることで多くの命と向き合えるから使っている言葉だと思います。
それと同じである程度人数が揃っているなら、できることはパートさんに任せてチーフはしっかりと製造計画に力を入れた方が良いと思います。
このようにチーフの仕事は初めてだと見るべきポイントが多すぎて慣れるまでは非常に大変です。
なので、まだ役職のない社員のうちは目をつぶってでもその作業ができるくらいに磨き上げることが大事です。
いざチーフになった時に視野を一気に広げないといけなくなるので、私のように自分の作業もままならない状況だとに辛いことになります。
そして人の管理、売場管理、数値管理その他にもう1つ自分の管理があります。
自責で考えた方がストレスも少ない
自分の管理は主にメンタル面です。
特に新人の頃は視野が狭いので仕事が円滑には進みません。
思うようにいかないことが圧倒的に多いのです。
パートさんに何かを聞かれただけでイラっとしてしまうほど追い込まれてしまうこともあるので、なるべくストレスのない状態で仕事に打ち込むことがポイントです。
仕事は自責志向で物事を考えると物事がうまくいきます。
自責と他責とは?
自責とは当事者意識をもって物事を考えることです。
他責とはその反対で他人の責任で物事をとらえる考え方です。
例えばパートさんがミスをしてもそれを「確認をしなかった自分のミス」「教えていなかった自分のミス」と捉えると、事前に確認することや教えなければいけなかった課題が出てきます。
これらは自分の責任でできていなかったので腹が立ちません。
しかし、これをパートさんのミスだ!と他責で考えると相手のせいにしているだけなので、相手のミスした結果にストレスしか溜まりません。
問題も解決していない為、同じミスを繰り返す可能性が高いので余計にストレスが溜まります。
そのストレスを抱えたままに感情的に仕事をするとそれを見た周りが不快になって、部門の雰囲気が悪くなってしまいます。
自分の機嫌は自分でとるが基本です。
チーフのあるべき姿は「想いが共有できること」
オープンから月日が立つごとにパートさんの不満が少しずつ蓄積されて、部門内の雰囲気は最悪な状態となりました。
そうなってくると少しの事でもお互いに感に触るのでよけいにピリピリとしていました。
その環境に耐えられず、色々な理由をあげてパートさんが月に1人ずつくらいのペースで辞めていくようになってしまいました。
研修を一緒にしてせっかく時間をかけて積み上げてきたものがあっけなく壊れていきました。
そして、日々の作業はますます激務になって
人が辞める→残業→それが辛くて人が辞めるというような負のサイクルに突入してしまいました。
だんだん私が挨拶もしても無視するパートさんも出てきて、ついには言い合いになりました。
「前の職場の上司は信頼できたけど、今は全然信頼できない。」と年下のパートさんに罵られた時は自分の努力が全くもって届かなかったことが悔しくて、店長の前で声を出して泣きました。
オープン前は、他の部門の先輩社員に「あなたは誰よりも本当によく頑張ってる」といってもらえるほど自分なりのことはやってきていたつもりだったので、本当に悔しかったのです。
やっとここまできて部門で話し合いをすることになったのですが、ここまでこじれてしまったので中途半端な話し合いをやれば更にごたつくのはわかっていました。
本当の根の部分をすべて話してもらいたいと、店長にも間に入ってもらいながら時間をもらいました。
その時に
パートさんから出たすべての意見をノートに書き込み、その1つ1つの意見に対してこれからどう行動に移していくのかを考えていきました。
意見はその日のうちにA4用紙3枚にびっちりまとめて店長に見せたのち、「こうしてきます」というのを翌日パートさんに宣言していきました。
その時の話し合いでパートさんの不満で共通していたことは当時の私に1番足りないのはコミュニケーションがないことでした。
パートさんと会話をしていなかったわけではありませんが、それはそれまでしていたただの「プライベートなおしゃべり」でしかなくて、売り込み商品は〇〇だからこういう売場にしたいとか、その為にもっといい方法がないか?とか会社や上司からの連絡に自分の考えを加えて「今後はこうしていきたい」とかそういう話が必要だったのです。
・どういう部門にしたいのか?
・どういう売場を作りたいのか?
・その為にどの商品を何個売るのか?
を伝えるのです。
それまではそういった製造計画も計画不足だし、作ってもそこに意図や想いが無かったのでパートさんに指示を出すことができませんでした。
もしも計画の段階で迷ったことがあるなら、「自分はこう思っているけど、意見を聞かせて欲しいです。」とお願いをすればよかったのです。
チームというのははじめからチームなのではありません。
日々自分の意見を共有していき、1度ではなく何度でも全員に伝えます。
そして相手の気持ちも聞きます。
すると→↓→←このように様々な矢印を持ったパートさんもだんだんと同じ方向へ向かっていくのです。
部門を導く為には、リーダーが1人で突き進んでついてこさせるよりも
想いややり方を共有して一緒の方向へ導く。
これが大切だと学びました。
がむしゃらにただ1人で突き進むのは頑張っているようで頑張っていない。
何の解決にもなっていなかったのです。
そして、もう1つ意見として浮かび上がってきたのは仕事を自分1人で抱え込むということでした。
私はパートさん達を何時間も残業させてしまっていたので、どんなに自分の仕事量が多くても「あとはやっておきます」と、頼ることができませんでした。
しかし、実際に話をしてみると「声をかけて欲しかった。」と言われたのです。
きっとパートさんはその効率の悪さに傍から見て気付いていたのでしょうね。
チーフだから誰かに頼ってはいけない。1人で頑張るということは大きな勘違いでした。
チームとして動くには1人1人の力に頼ることになるので
・その人自身を知る
・その人の得意な仕事
・仕事のスピード
ここを抑えてお願いすればより効率的に部門を回すことができます。
うまくいかないときは何度も辞めたいと思いましたが、問題を素直に解決しようと努力したことで、これらは本を読むだけでは絶対に身につくことがなかった自分の新人チーフ時代の貴重な経験となりました。
まとめ
以上の経験から仕事をする上でチーム作りは1番の土台の部分で大切であることを学びました。
社員としての仕事は売上を作って利益をあげることですが、その売上を作る為には円滑に回るチームが必要不可欠なのです。
その後の店舗でも私はまずは良いチームを作ろうと土台作りから始めるようになりました。
すると「これを売りたい」となった時に一丸となって商品を売込むことができるようになるのです。
スーパーマーケットは人手不足と言われる業界です。
だからこそパートさんを大事にしないと何もできません。
・人手不足の業界だから仕方ない。
・この業界では当たり前。
・パートなんだから言われたことだけやれ。
このようなチーフでは決して強いチームを作ることはできません。
大事なのは想いややり方を共有して一緒の方向へ導くこと。
チームを作るには時間がかかりますが、そこを飛ばして売上作りはできないのです。
以前書いた
人間関係に悩む前にやる!パートさんの部下をもつ社員がやるべき8つのこと
という記事には今回の記事の内容をさらに深堀して良い人間関係を作るヒントが書いてありますのでそちらも是非参考にしてみて下さい。
[…] をうまく作ることがでず、部門の雰囲気も悪くなって非常に厳しいことも言われました。▼ 新人チーフ時代の失敗談から学ぶスーパーマーケットのマネジメント「チーフのあるべき姿」 […]