「我々は誰の為に働いてるんだ…!」
お客様の為だろ!!!!!
このような発言を耳にしたり目にしたことはないでしょうか?そして、本当にお客様の為になることとは何なのか?違和感を感じてこの記事へ訪れたのではないでしょうか?
私も小売業を10年しておりますが、この「お客様の為」と言う言葉がどうも不自然で嫌な感じがしていたので、
この度、思った点を言語化してみたところこの言葉のヤバいところが見えてきましたのでまとめたいと思います。
お客様の為というのは押し付けがましい
こちらが思うお客様の為とお客様の要求が一致するとは限らない。
例えば肉を500gにまとめて大パックにして少し安く売ったら、お客様も喜ぶぞ!と言って店のほとんどの商品を大パックにしてしまったら食べきれない老人、一人暮らしのお客様は困ってしまうことになります。
お客様の為!と言ってもそれは本当にお客様の為になっているのか?
お客様の為のいいながら実際は売り手の立場になってはいないでしょうか?
売り手の立場からいうお客様の為は自分都合の架空のお客様ではないか?
本当にお客様から求められてる物とのズレがあるかもしれないのです。
これに関しては
セブン&アイホールディングスの名誉顧問、鈴木敏文氏の著書「売る力」94ページより
「お客様のために」はウソ、「お客様の立場で」が正しい
にも書かれています。
両者は同じように見えて全く違います。
「お客様のために」は一方的にこちらからのボールをお客様に投げつけているのに過ぎないのです。
スポンサーリンク
対価の結果がお客様の為ではないのか?
なので、結局は商品を買いたいと思ってもらって買っていただき、
商品の対価としてお金をもらった結果こそがお客様の為に繋がるのではないのか?ということです。
ここで言いたいのはお客様為というのは至れり尽くせりにサービスをするような神様対応ではなく、お客様と従業員はあくまでも対等であって
お店は良い商品を提供する
お客様はその対価としてお金を支払う
それが結果的にお客様の為にお店が出来たこととなるということです。
お店としてはここを勘違いしてしまうと、顧客満足度を上げるぞ!といって売上に繋がらないサービスばかりを増やしてやることだけが増えてしまうことになります。
スポンサーリンク
部下が動く便利な言葉
お客様の為にと言っておけば部下は動くだろうという上司の悪魔の言葉として使っている場合があります。
これは例え話ですが
「お客様の為に野菜の鮮度をしっかりと保つんだ!」
→それは店として当たり前のことではないか?問題はなぜ保てないのか?というところ
「お客様の為に開店時は100%を目指せ!」
→朝一で刺身を出して買ってくれる方は何人いるのか?などの問題や、だから早く出てきて仕事をしろと言わんばかりの圧になってしまう
お客様の為にと言いつつも自店の問題からズレてしまうことにもなり得ます。
誰のために働くのかはその人次第
そもそも根本のところは自分や家族の為に働いてるという人が大半なのではないでしょうか?
この人の為に…って思う場面は確かにあると思いますが、なぜ自分自身が働くのかを突き詰めた時に本当にお客様の為に働いているのでしょうか?
給料がゼロでもお客様の為に働けるか?と言われたらそんな奉仕の心は持ち合わせてないかと思います。
綺麗ごとを抜かしてシンプルに食べていくためや家族のためではないでしょうか?
我々の給料はお客様から出ている…だから=お客様の為に働くという単純なものではないと思います。
まとめ
●お客様の為というのは押し付けがましい
●商品の対価としてお金をもらった結果がお客様の為ではないのか?
●お客様の為といえば部下が動く便利な言葉として使っていないか?
●そもそも根本のところは自分や家族の為に働いてるのではないか?
以上がお客様の為にを使うのがヤバい理由となります。
中にはそんなつもりで使っていたわけでは…という方もいるかもしれません。
「お客様の為」にとは非常に聞こえのいい言葉ですが、一方的で奴隷的で思考停止に落ち入りやすい言葉ではないかと思うので良かれと思って使っていても注意が必要だと思います。